概要
整形外科は”運動器疾患”を対象とする診療科です。運動器とは身体のあらゆる動きに関与するものを対象とするため、脊椎・上肢(肩・肘・手)・下肢(股関節・膝・足)の骨・軟骨・関節・神経・筋肉など取り扱う部位と組織は多岐にわたります。整形外科はこれらの疾患の検査・診断・治療を的確に行うことで機能の回復を目指す診療科です。
当院は救命救急センターが併設されているため昼夜を問わず三次救急医療(一刻を争う重篤な救急患者に対応する医療)をおこなっており、整形外科もその一翼を担っております。そのため重篤な脊椎・四肢外傷や難治性の急性運動器疾患などに対応する必要があり、それらに対応できる高度な医療を提供できるよう心がけています。
したがって、重篤な疾患・外傷に対して手術を含めた高度医療を提供することが当院整形外科の責務であり、ここに医療資源の集約化を図っています。診断・治療法が決まり、手術以外の治療が選択された場合は連携するクリニックや他病院の先生に引き続いての保存治療をお願いすることが多くなります。また、急性期外傷・疾患に絶えず対応するために、手術後は急性期治療がひと段落すると、慢性期リハビリのための転院/退院をお願いすることになります。転院先・退院後の生活支援などのご相談には地域連携サポートセンター相談窓口があたります。このように、治療のすべてが当院で完了するわけではなく他病院・クリニックと緊密に連携して治療する方針をとらせていただいています。当院に来院される患者さんにつきましてはその旨ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
特色・方針
当院では、常勤8名の整形外科学会専門医がそれぞれの専門分野の医療を担当し、さらに専門医取得に向けた2名の研修整形外科医が在籍し診療にあたります。また、新潟大学から小児整形外科専門医が月1回来院し小児整形外科外来を担当しております。
当院における整形外科患者の救急外来受診数は年間およそ2,800件、そのうち救急車による搬送が800件程度になります。整形外科疾患に対する医療ニーズは年々高まっており、今では年間1,500件以上の手術を行っています。これらの手術はすべて”運動器の機能再建”に対する治療です。骨折などの外傷、変性した関節に対する人工関節、上肢の機能障害、脊椎の変性による脊柱管狭窄症やヘルニアなどの幅広い分野に対しそれぞれの専門分野に応じた質の高い医療を提供できるよう取り組んでいます。
手術実績
(対象期間:1月1日~12月31日)
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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脊 椎 | 264 | 292 | 259 | 305 | 340 |
上肢・手 | 55 | 63 | 58 | 77 | 44 |
下 肢 | 178 | 148 | 115 | 134 | 171 |
外 傷 | 1,160 | 922 | 1,035 | 1,152 | 902 |
リウマチ | 129 | 83 | 97 | 71 | 97 |
小 児 | 82 | 59 | 60 | 66 | 82 |
腫 瘍 | 23 | 17 | 14 | 43 | 37 |
合 計 | 1,891 | 1,584 | 1,638 | 1,848 | 1,673 |
医師紹介
氏名 | 職位 | 専門領域 | 認定資格等 |
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森田 修 (平成12年卒) |
部長 | 整形外科 脊椎・脊髄外科 |
日本整形外科学会専門医 日本脊椎脊髄病学会指導医 |
三浦 一人 (平成8年卒) |
脊椎脊髄外科 部長 |
整形外科 脊椎・脊髄外科 |
日本整形外科学会専門医 日本脊椎脊髄病学会指導医 |
根津 貴広 (平成13年卒) |
リウマチ科 部長 |
リウマチ科 整形外科 |
日本リウマチ学会専門医 日本整形外科学会専門医 |
川瀬 大央 (平成21年卒) |
部長 | 整形外科 手の外科・外傷再建 |
日本整形外科学会専門医 |
大溪 一孝 (平成22年卒) |
副部長 | 整形外科 膝関節外科 |
日本整形外科学会専門医 |
須藤 洋輔 (平成24年卒) |
副部長 | 整形外科 外傷再建 |
日本整形外科学会専門医 |
山田 和矢 (令和1年卒) |
整形外科 手の外科・上肢 |
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木南 佳也 (令和3年卒) |
整形外科 | ||
本多 凜太郎 (令和4年卒) |
整形外科 |
外来受診の方法について
長岡市内の救急輪番病院(長岡中央綜合病院、立川綜合病院、当院)3病院の整形外科外来は完全予約制をとっております。受診には、かかりつけの先生から紹介状が必要ですのでよろしくお願い致します。また、かかりつけの先生から当院の“病診連携室”を通して、専門分野の先生(例えば、リウマチ外科、脊椎外科、手の外科、関節外科、小児整形外科、など)の診察日に合わせて、受診予約を取っていただくと診断・治療の流れがスムースになりますのでよろしくお願い致します。
なお、診察の際は、体のどの部分が、いつから、どのように困っているのか?何が心配なのか?いくつかの症状があるときはどれが一番困っているのか?とお聞きすることから診察が始まりますので、診察を受けやすい服装と共に、話す内容も準備しておいていただけると診断・治療の流れがスムースになりますのでよろしくお願い致します。