手術支援ロボット da Vinci(ダヴィンチ)
当院で行っているロボット支援内視鏡手術は、アメリカで開発された内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いて行う手術です。腹腔鏡手術の弱点を補うように開発され、従来の腹腔鏡手術と比較して、患者さんへの負担が少ない低侵襲手術として注目されています。
ダビンチサージカルシステムは、医師が操作をするサージョンコンソール(操縦席)と、鉗子やメス、内視鏡などの手術器具を取りつける4本のアームのついたペイシェントカート(ロボット)、画像の収集や処理を行いサージョンコンソールに送るビジョンカートからなっています。
ロボット手術といっても、機械が自動的に手術を行うわけではありません。
患者さんのお腹にあけた小さな穴に手術器具を取り付けたロボットアームと内視鏡を挿入し、医師がサージョンコンソールで内視鏡画像を見ながら手のハンドルや足元のフットスイッチを動かして遠隔操作で手術器具を操る仕組みです。
ダヴィンチには高解像度の3Dモニターが用いられており、術野を立体的に観察できることに加えて最大15倍のズームが可能なため、肉眼と同等以上に良好な視野で手術が行えます。また、アームは7方向360°の可動性を有するため自分の手以上の自由度で器具を操ることができ、手ブレ防止機能やモーションスケーリング機能(動かした手の幅を縮小して伝える機能)の助けもあり、より繊細で確実な操作が可能となります。
ロボット手術のメリット
①回復が早い:低侵襲性
傷口が小さいため、術後の痛みが軽減されます。また術中の出血も少ないので患者さんの回復が早くなります
②がん手術としての確実さ:根治性
内視鏡により体の奥深くまで見通せることに加えて、開放手術と同じくらいの操作性により、がんをより確実に切除することが可能となります
2012年に前立腺がん手術において初めて保険で認められたロボット手術は、その優位性から様々な疾患・手術に適応が広がりました。
当院におけるロボット手術も泌尿器科における前立腺全摘手術から始まり、現在は消化器外科による直腸がん、胃がん、食道がんの手術についても行われています。
また、呼吸器外科による肺がんの手術についても現在準備中です。
*患者さんや病気の状態によってはロボット手術が適切ではない場合もあります。
ロボット手術実績
対象期間:2023年1月~12月
前立腺がん | 直腸がん | 胃がん | 食道がん | |
件数 | 47 | 35 | 10 | ―(2024年開始) |