予防医学 第12回 アンチエイジング -サプリメント-
サプリメントには、栄養補助食品、健康補助食品と呼ばれ、不足しがちなビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素などを補うものの他、ハーブ、生薬、ダイエット食品など多種多様なものがあります。しかし、あくまでも食品であり治療を目的にした医薬品ではありません。 そして老化とは加齢(エイジング)により生じるマイナス面を表す言葉であり、起こりうる負の現象であります(しわ、しみ、動脈硬化等)。サプリメントとは、そんなエイジングが引き起こす様々なトラブルを防ぐアンチエイジング効果がある食品と言えます。 代表的な物として、ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、グルタミン、EPA、DHA、青汁、クロレラ、イソフラボン、朝鮮人参、コエンザイムQ10、ヒアルロン酸などがあります。例えばビタミンC はしみ・くすみなどを防ぎ、コエンザイム Q10にはアンチエイジング (抗老化作用) が期待されています。このコエンザイムQ10は過剰摂取により悪心、下痢、腹部痛などの胃腸症状を引き起こすこともあり、脂溶性ビタミン(A、D、E、K、)なども、過剰摂取により体に蓄積してしまう危険があります。 また抗凝固薬のワーファリンを服用している方は、クロレラや青汁が、ワーファリンの効果を減弱させてしまうので、これらを摂取してはいけません。このように薬との飲み合わせの問題があるサプリメントもありますので、薬をお飲みの方はまず処方医にサプリメントの摂取についてご相談下さい。また、サプリメントを求められる時には、服用されているお薬についてご相談されますようお勧めします。 簡単に手に入れることができるサプリメントですが、医師、薬剤師に摂取方法、適量等を相談し、有効に活用し若さを保ちましょう。
(薬剤部 平澤正恵)
不定期連載: ある日の健康講話より 「脂質異常症(高脂血症)を予防する食事」
脂質異常症とは、血液中の脂質のバランスが崩れる病気で、以前は高脂血症と呼ばれていました。「LDL(悪玉)コレステロール」あるいは「トリグリセライド(中性脂肪)」が多すぎる、又は「HDL(善玉)コレステロール」が少なすぎる状態をいいます。 その原因のほとんどが食生活や生活習慣ですが、放っておくと動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気に罹りやすくなります。 まずは食生活を見直してみませんか?
1日3食、規則正しく食事を摂り、腹八分目を心がけましょう
肉料理に偏らず、魚や大豆製品を使った料理を食べる機会も増やしましょう。 野菜類に多く含まれる食物繊維には、余分なコレステロールを吸着し、体外に排泄する働きがあります。 毎食、生野菜なら両手1杯分・加熱した野菜なら片手 1 を目標に食べましょう
以下の食品の摂り過ぎに注意しましょう
〈動物性脂肪を多く含む食品〉
→LDLコレステロールの材料となる飽和脂肪酸が多く含まれています。
・肉の脂身、ベーコン、乳製品など ※肉類はなるべく脂の少ない部位を選びましょう。
〈コレステロールを多く含む食品〉
・卵、肉や魚の内臓(レバー、もつなど)、魚卵、小魚(ししゃも、しらす干しなど)、肉の脂身、鶏皮、洋菓子など
〈お菓子・ジュース類・果物・アルコール〉
・摂り過ぎは中性脂肪の増加や肥満の原因になります。摂る回数と量に注意しながら、上手に付き合いましょう。
ほんの少しの心がけが脂質異常症予防につながります。食事を楽しみながら、できる事から始めてみましょう。
(管理栄養士 池田理恵)
当院の医療技術職員 業務紹介 第5回 言語聴覚士
言語聴覚士は古くから脳外科や神経内科の領域で失語症や高次脳機能障害に対してのリハビリテーションを行う仕事をしてきました。これらの分野は一般にはあまり知られておらず、したがって言語聴覚士ということも聞かれることがありませんでした。 しかし、高齢化社会に伴い、また脳卒中の治療が進むにつれ、加齢によるものや、命が助かった後の脳卒中の症状としての嚥下(食べ物を飲みこむ機能)障害が多くなり、‘食べる機能の専門家’として注目されるようになってきました。 誤嚥性肺炎’という言葉を聞かれたことがある方は多いと思います。これは、食べ物の穴違いによる(気管に食物が誤って入ってしまう)肺炎です。これらに対して、飲み込みやすい食物の設定や穴違いしにくい食べ方の指導を中心に業務を行っています。 ‘安全に食べる’ことは多くの人の協力が不可欠です。主治医をはじめ看護師、ご家族、ご本人が指導を守るなど連携を図りながら取り組んでいます。 また、当院においては、嚥下障害の患者さんに対応するべく、栄養士や調理師の方々と協力して嚥下に適して美味しく、かつ栄養面にも配慮した食事を開発中です。この春から提供していく予定になっています。楽しみですね。
(言語聴覚士 今村玲子)